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グリーンパルプ・ウェイ

グリーンパルプ・ウェイ(Green-Pulp-Way)

グリーンパルプ・ウェイとは当社の環境配慮コンセプトです。同コンセプトに基づき特殊紙ならびにラベル用紙の製品設計・製造を行い「地球環境への負荷を低減し、豊かな緑を未来へ残す」ことを目指します。

グリーンパルプ(Green Pulp)

グリーンパルプは当社の登録商標です。グリーンパルプは、合法的かつ適切に管理された森林からの木材を原料とするパルプ(森林認証パルプ、植林木パルプを含む)、および再・未利用材から得られるパルプ、非木材パルプなどで、無塩素漂白(ECF)により製造されたパルプです。

グリーンパルプ・ウェイの背景

当社は資源を有効利用する取り組みとして、古紙を原料とする再生紙の生産を積極的に進めてきました。一般に古紙を高配合すると品質(例えば強度)が低下することから、当社では厳選した良質な古紙を使用し、さまざまな要求品質を満たしてきました。しかし、ここへ来て中国などにおける古紙の需要増大による影響で、質を問わず古紙そのものの入手が非常に難しくなってきており、古紙配合率の見直しが必要となってきました。
一方、近年急激に進行している地球温暖化は、自然の生態系や人間の生活基盤にさまざまな悪影響を及ぼすことから、世界的に早急な温暖化防止対策が望まれています。地球温暖化の主原因は、化石燃料を使用することによる大気中の二酸化炭素(CO2)の増加といわれており、森林はCO2を固定することでその増加を抑制する効果があります。このため、適切に管理された森林からの木材を使用し、森林資源を保護していくことが地球温暖化の防止につながります。また、紙の製造工程においてはこれらの木材を原料としたパルプ(クラフトパルプ)を使用したときの方が、古紙パルプを使用した場合より化石燃料由来のCO2排出量が少ないと報告されています。資源の有効利用の観点から古紙を使用することは重要ですが、古紙パルプを過度に高配合した紙をつくることは、結果として温室効果ガスであるCO2の大気中への排出量増加につながります。
これらを踏まえ、当社はグリーンパルプを主原料にし、古紙パルプを使用する場合には要求品質に応じて最適に配合した製品を提供していきます。なお、パルプ以外の原材料や副資材についても環境に配慮した選択と設計を行っていきます。

クラフトパルプ(LBKP)と古紙パルプ(DIP)から上質紙1トンを製造する際のCO2排出量

クラフトパルプ(LBKP)と古紙パルプ(DIP)から上質紙1トンを製造する際のCO2排出量
  • *1バイオマス由来のCO2排出量とは、植物などの生物体が燃焼したときに排出されるCO2量のことです。クラフトパルプの場合、木材に含まれるリグニン成分などをバイオマス燃料として製造工程で利用して必要なエネルギーの多くを賄うことができます。バイオマス燃料から排出されるCO2は、木材の成長過程で固定した大気中のCO2を再度排出するため、大気中のCO2濃度を高めることはありません。
  • *2化石燃料由来のCO2排出量とは、石油や石炭などの化石燃料の燃焼によって排出されるCO2量のこと です。古紙パルプの化石燃料由来によるCO2排出量は、図のようにクラフトパルプの約2倍量に達します。
  • (財)古紙再生促進センター、「古紙利用と環境影響に係る調査報告書」2001.3に基づき作成