サステナビリティレポート2023
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*2 シュープレス : 脱水方法の改善によって、シートに含まれる水を従来よりも多く搾り取ることがで特 集CO■■■■■■■■■■■■■■■■ リンテックグループでは、長期ビジョン「LSV 2030」の重点テーマの一つに「社会的課題の解決」を掲げ、環境への取り組みを全社一丸となって進めています。今回は「2050年までに“カーボンニュートラル”を実現」を目指したCO₂排出量削減対策や「VOC(揮発性有機化合物)の大気放出抑制(2030年までにゼロ)」に対する、生産・研究・営業における取り組み事例の一部についてご紹介します。■2021■2023■■■■2024■2026■■■■2027■2029■■■10097.2 94.5 100%85.4 79.6 81.6 50%0%60.3 45.7 間の短縮となり、ドライパートでのエネルギー使用量の削減につなげることができる。きる設備。ドライパート(乾燥工程)でのエネルギー使用量の削減につなげることができる。熊谷工場に導入された太陽光パネルリンテックグループのCO₂排出量削減実績生産本部寺川 公明■サイザー*1やシュープレス*2、自家消費型太陽光発電、RTO設備へ排熱ボイラ導入など、コストダウン効果も見据えた計画の実施■ユーティリティー関連のデジタル化を推進し、一元管理(可視化)ができるような設備計画の立案■再構築計画実施によるCO₂排出量の増加や、省エネ計画(1.0%削減)によるCO₂削減量も加味した計画の立案■都市ガス化など継続案件となった、ガスコージェネ(GE 設備など)システムの導入やVOCの全量処理に向けた直燃式ボイラ導入の計画推進■電力価格や電力係数の状況を確認しながら、グリーン電力などの契約推進■メタネーション・水素など新たな燃料への転換に向け情報を注視し検討■太陽光発電(売電:20年)の自家消費型への切り替えも視野にエネルギーバランスの最適化2013年度2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度2030年度(予定)2013年度を100%とした場合20Stage 1Stage 2Stage 3生産本部長期ビジョンに沿った設備投資計画の策定 リンテックグループではCO₂排出量削減を重要課題と捉え、生産設備面からもさまざまな施策を行っており、長期ビジョン「LSV 2030」の中期経営計画に合わせ、海外グループ会社も含めたグローバルな設備投資計画を策定・推進しています。「LSV 2030 - Stage 1(2021~2023年度)」では、自家消費用太陽光発電システム導入や各種生産設備の改善などに約88億円「LSV 2030 - Stage 3」の最終年度となる2029年度までには総計約195億円の投資を予定しています。また、排出量削減と同時に、企業として費用対効果の追求も視野に検討を進めています。特殊紙生産設備をはじめとする2022年度の導入実績 2022年度のCO₂排出量はリンテックグループ全体で177,928t-CO₂となっており、2013年度比で39.7%の削減となりました。特に、特殊紙の生産では抄紙機の乾燥工程で多くのCO₂が排出されるため、主力生産拠点である熊谷工場(埼玉県)にはシュープレスを、三島工場(愛媛県)にはサイザ―を導入したことで、今後さらなるエネルギー使用量とCO₂排出量の削減が期待されます。 また、自家消費型太陽光発電システム導入にも注力しており、2022年度は龍野工場、熊谷工場、土居加工工場、小松島工場へ導入し、年間約1,000t-CO₂の削減効果を見込んでいます。これにより国内ほぼ全ての生産拠点で導入が完了していますが、今後も可能な限り導入を進めていきます。他にも生産工程の見直し、排熱回収方法の刷新、高効率ボイラの導入や無溶剤化対応などCO₂排出量削減に向けてさまざまな施策を実施しています。目標達成に向けて 「LSV 2030 - Stage 1」の最終年度となる2023年度は、Stage 2、3に向けさらなる効果的な削減対策を実行できるよう、削減量実績のレビューや各生産拠点でのヒアリングを行い、計画の見直し・最適化を目指します。同時に、今後各拠点で予定されるビルド&スクラップによる省エネ、高品質、高効率、省人化を目的とした生産プロセスの革新に伴う排出量増加については、事前に抑制するための対策を検討しています。また、2030年までの目標達成を前に、一部の生産拠点でカーボンニュートラル実現を計画しています。今後、さらに高まる要求にも対応できるよう、リンテックグループ全体として積極的に取り組んでいきます。*1 サイザ― : 軽量コーティング(シートの表面に必要な分だけ薬品を塗工)するための設備。乾燥時

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