仕事紹介
大学では機械系を専攻していたため、化学系のイメージが強いリンテックという会社は就職先としての選択肢にありませんでした。しかし、就職活動中にリンテックの採用担当者から話を聞く機会があり、自分が大学で学んだ知識や研究していた分野をこの会社で生かせると確信。その後、研究所を見学し、楽しそうに働いている研究員の姿を見たときに入社を決めました。直感で即決しましたが、実際働いてみてその判断は間違っていなかったと思います。

神田敏満 研究所 製品研究部 プロセス開発室 2003年入社 自然科学研究科 生産システム専攻

プロセス開発 巻き取る技術で生産現場に革新を

現在の仕事

ウェブハンドリング技術の研究開発に従事

現在、私はウェブハンドリングと呼ばれる技術の研究開発を行っています。ウェブハンドリングとは、ウェブと呼ばれる紙やフィルムなどの薄膜材料を搬送し、ロール状に巻き取ることをいいます。例えば、光学フィルムは最終製品の液晶ディスプレーに使われるまでに製膜、粘着剤の塗布、裁断といったさまざまな加工が施されますが、その間にロール状のウェブを繰り出して加工し、再び巻き取るといったことが繰り返されます。これはロールtoロール方式と呼ばれる大量生産に適した生産方法であり、リンテックで加工したロールをお客様に納品、お客様が繰り出して実際に製品を使用するという流れになります。リンテックでは従来、シール・ラベル用粘着紙・粘着フィルムなどの分野でこの方式を採用してきましたが、昨今この技術は、有機ELディスプレーや太陽電池といった最先端の分野でも重要度が高まってきています。

粘着製品の生産工程には、粘着剤を混ぜて、塗って、乾かして、剥離材を貼り合わせて、巻き取る、あるいは、その間ウェブを搬送するといった幾つもの作業がありますが、私が担当しているのは搬送、巻き取りにかかわる部分です。工場で生産された製品が納品されるまでには、気温や湿度などさまざまに異なる条件があり、お客様の元に届くまでにしわができたり、製品どうしがくっついてしまい、使用できなくなるということも起こりえます。それを未然に防ぐのがこの仕事の最大の課題です。

仕事エピソード

不具合の未然防止で製品の品質を保つ

ウェブハンドリング技術は、これまでは生産現場で、実際にものづくりに携わる人の経験を通して培われてきました。しかし、さまざまな製品の高機能化に伴い、要求品質が高度化。従来、問題がなかった品質レベルのものでも、不良品として扱われることがあり、こういったケースに対してこれまでのように経験のみで対応することが難しくなってきています。このような技術的な課題を克服するため、現在巻き取り技術の理論化について研究しています。この研究テーマは、製品巻き取りの原理原則をモデル化し、お客様に納品されるまでのロールの状態をシミュレーションによって予測できるようにすることです。

あるとき、生産現場から“しわの発生”について相談を受けました。早速、現場に赴き測定、原因を特定した後、材料物性を測ったうえで、シミュレーションを行いました。ロールをつくるときにはテンション(応力)をかけながら巻き取るのですが、原因はその加減が強すぎたことにありました。しかし、テンションを弱くしすぎると横滑りしてしまいます。最適なテンションを特定するため、ロール内部の応力状態を測定し、どのくらいの値だと不具合が発生しやすいのかを正確に突き止めました。

こうした一連の流れの中で一番苦労するのは、やはり妥当な仮説を立てることです。何が不具合の原因になっているのかを突き止めるには、数字だけでなく現場とのコミュニケーションが必須です。現場の経験からしか得られない貴重な情報があって、初めて数字が意味を持ってきます。着実なステップを踏んで仮説を立ててからシミュレーションを行い、最後に現場で検証して、予想どおりの結果が出る。それが現場に生かされ、目に見える形で成果につながる。研究員として"ものづくり"にかかわるうえでのやりがいがここにあります。

検証は工場で行われるため、1回の検証には多大な労力とコストを必要とします。それだけに仮説が正しくなければ現場からの信頼も得られません。失敗すればその製品は市場に出すことができませんし、成功すれば反対に大きな利益につながります。非常に責任は大きいですが、うまくいったときには「この仕事をやっていてよかった」と心から思えます。

ウェブハンドリングは、製造業において製品を大量に出荷するために、なくてはならない技術です。私も一時期仕事をしながら大学院に通い、さまざまな知見を得ました。こうした技術に関する研究は世界的にも少なく、大学との連携は必須です。今後、プリンテッド・エレクトロニクスといった、エレクトロニクスの未来を大きく切り開く分野での利用も期待されています。将来性の高い研究に携わりながら、実際に研究の成果が最終製品に生かされるまでを最前線で見ることができる。製造技術の発展を担っているという自負が自らの成長にもつながっていると思います。


就職活動中はさまざまな会社を見ることができ、社会を知るよい機会です。自分自身が思い描く将来像を実現できるような会社を見付けて、今後の充実した人生につなげてください。

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リンテック株式会社