ディスプレイの薄型化と軽量化に!“ガラスに代わる新素材”。

液晶画面の映り込みを防ぐ!フィルムの“表面加工”技術。t

PROFILE

永縄 智史(ながなわ さとし)
東京理科大学大学院 理学研究科卒。2006年、リンテックに入社。現在、次世代シートデバイスに関わる新規材料の開発を担うデバイス材料研究室に所属。ハイバリアフィルムの開発に従事し、顧客対応や生産立ち上げに向けた各部署との調整などを行っている。

薄さや柔軟性を生かした新技術で、モノづくりのさらなる進化に貢献するリンテックの次世代シート材料。フィルムならではの柔軟性を持ちながら、通常のフィルムに比べて水蒸気や酸素を通しにくい性質(バリア性)と、高い透明性を兼ね備えたハイバリアフィルムもその一つだ。開発に携わる研究員、永縄智史に話を聞いた。

世の中にない材料や技術を探求し、最終製品の進化につなげる。

Q ハイバリアフィルムについて詳しく教えてください。

一般的に開発が進められているハイバリアフィルムは、プラスチックフィルムの表面に、バリア層となるセラミックなどの無機物層を数百ナノ*メートルの厚みで形成してつくられますが、リンテックではこのバリア層の密度を高める独自の製法を開発しています。厚みを薄くすることができ、曲げてもバリア層が割れにくいのが特徴です。また当社では、このフィルムを貼り合わせるための、水蒸気を通しにくい粘着剤も開発しています。機能性フィルムと粘着剤を併せて提供できるのは、粘着素材メーカーならではの強みと考えています。

*ナノ:10億分の1。100ナノメートルは1万分の1ミリメートル

Q どのような用途で使われているのですか。

例えば、次世代テレビ用として各電機メーカーで開発が進められている有機ELディスプレイは、水蒸気や酸素に弱い素子をガラス基板で挟んだ構造になっています。このガラスに代わる素材として、ハイバリアフィルムを使用することで、ディスプレイの薄型化や軽量化、さらには丸めたり折り曲げたりできるフレキシブルディスプレイを実現することができます。

  • フレキシブルディスプレイのサンプル

Q 開発に当たり、現在の課題と日々心掛けていることを教えてください。

世の中にない新しい材料や技術の研究に取り組んでいますが、最終的な製品イメージをしっかりと持ち、開発の方向性を間違えないように気をつけています。今後は、さらに薄く、そして一定の厚みにコントロールできるよう現在の薄膜形成技術を進化させていきたいです。また、新たな手法に挑戦し、独自の製造技術の確立も目指していきます。