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特集1 モーダルシフトの推進により物流構造を改革し、
CO2削減を目指す

リンテックでは、地球温暖化防止対策の一環として、貨物輸送をトラックから鉄道や船に転換する「モーダルシフト*」を推進しています。担当者の声を基にこれまでの取り組みを振り返るとともに、活動の成果を紹介します。

  • モーダルシフト:旅客や貨物の幹線輸送を、大量輸送が可能な鉄道や船舶輸送に切り替えることで、CO2排出量削減を図る取り組み。

トラック輸送からRORO船*輸送に転換し、CO2排出量と輸送コストを削減

近年、モーダルシフトは地球温暖化対策として注目されているほか、トラックドライバーの不足や過重労働、道路混雑など、さまざまな社会問題の改善につながる取り組みとして期待されています。リンテックでは現在、拠点間の物流を中心としたモーダルシフトを推進しています。きっかけとなったのは、洋紙事業部門の取り組みです。同部門の藤嶋洋(以下、藤嶋)が振り返ります。

  • RORO船:ロールオン(Roll on)・ロールオフ(Roll off)船の略称。貨物を積んだトラックが、そのまま船内外へ自走できる貨物船。
洋紙・加工材業務部 部長 藤嶋 洋

洋紙・加工材業務部 部長
藤嶋 洋

「最初にモーダルシフトの話が持ち上がったのは、2013年の4月頃でした。洋紙事業の基盤強化会議の重要テーマの一つとして、物流コスト削減のために従来のトラック輸送に代わる輸送手段の検討を行いました。私たち自らが少しでもモーダルシフトに関与することも考慮に入れながら、陸路、海路を問わず、さまざまな輸送方法を検討した結果、選択したのがRORO船による輸送でした」(藤嶋)
半年後の2013年10月、三島工場で製造した製品を搭載したRORO船の第一便が、三島川之江港を出港しました。以降、100t/月(2015年7月より180t/月)の製品が千葉中央港を経由して関東の営業倉庫やお客様に届けられ、2014年9月以降は熊谷工場から四国への製品輸送(100t/月)にもRORO船を活用しています。
「RORO船輸送へ切り替えるために、物流会社との交渉や社内の出荷・荷受体制の調整など苦労もありました。しかし、結果として輸送時のCO2排出量を削減すると同時に、輸送費のコストダウンも実現しました。モーダルシフトを実行し、大きなメリットを感じています」(藤嶋)

トラック荷台内で積載品を固定
船内においてもトラックを固定

荷崩れを防ぐため、トラック荷台内で積載品を固定【写真左】するとともに、船内においてもトラックを固定【写真右】

各拠点の物流データを調査し、モーダルシフトを実施すべきルートを特定

コスト改革推進室長 下鍋 明男

コスト改革推進室長
下鍋 明男

この取り組みに注目したのが、下鍋明男(以下、下鍋)が室長を務めるコスト改革推進室でした。
「コスト改革推進室では、全社的な輸送コストの削減に向け、さまざまな取り組みを実施していました。しかし、省エネルギー法や、将来的なトラックドライバーの人口減少に対応していくためには、より抜本的に物流方法を見直す必要があると考えていました。洋紙事業部門の取り組みは、まさに私たちが思い描く物流構造改革の実例だったのです」(下鍋)
2014年4月、札幌支店が先導し、龍野工場から札幌への製品出荷の一部をトラック輸送からRORO船輸送へ切り替えました。さらに並行して、全国の拠点から物流データを取り寄せ、一件一件の輸送距離やコストの調査を実施。全社的な物の流れを正確に把握した上で、モーダルシフトを行うべき輸送ルートの特定を進めていきました。
「調査結果を踏まえて検討を重ねた結果、輸送距離500km以上のルートをモーダルシフトへの切り替え候補とすることに決めました。500km以上であれば、モーダルシフトの優位性を発揮し、CO2排出量の削減につながることが分かったのです」(下鍋)

輸送ルートの条件に応じて、鉄道輸送への切り替えを選択

コスト改革部 副部長 飛世 義弘

コスト改革部 副部長
飛世 義弘

リンテックでは、トラックからRORO船輸送への転換のほか、鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトも実行しています。2015年6月、札幌支店が静岡県の外注先から製品を輸送する輸送ルートの一部を鉄道輸送に転換しました。担当したのは、コスト改革部の飛世義弘(以下、飛世)です。
「RORO船を利用するには輸送量が少なく、また、航路の関係もあり、鉄道輸送を選択しました。モーダルシフトと一口に言っても輸送方法は複数あり、輸送ルートや諸条件に応じて最適な方法を選択することが大切です」(飛世)
静岡~札幌間に続き、2016年5月には、兵庫県の龍野工場から埼玉県の東京リンテック加工(株)に輸送する製品や仕掛品の一部を鉄道輸送に転換しました。本輸送では、鉄道会社との協議を重ね、大型トラックと同等の積載容量13トン(内容積48m3)を持つ鉄道コンテナを活用しています。
「モーダルシフトは国を挙げて推進されています。今回採用した鉄道コンテナも鉄道業界によるモーダルシフト対策の一環として開発されたもので、私たちのニーズとも合致したのです」(飛世)

大型トラックと内容積が同等の鉄道コンテナで輸送することにより輸送効率が向上

環境負荷の低い物流構造の構築に向けモーダルシフトを全社的に展開

環境安全部 副部長 石倉 一仁

環境安全部 副部長
石倉 一仁

環境安全部の石倉一仁(以下、石倉)は、“環境活動”としての視点から、モーダルシフトの優位性を説明します。
「環境安全部では、工場を中心に環境活動を推進していますが、生産工程でCO2削減効果を高めるためには、設備を改善するなど、投資を要する場合がほとんどです。モーダルシフトは、CO2と輸送コストを両方削減できる取り組みであり、企業が行う環境活動としては有効であると考えています。また、社会的に求められているサプライチェーン全体で実施するCO2削減活動の一端を担うという意味でも、重要な取り組みです」(石倉)
洋紙事業部門がきっかけをつくり、コスト改革推進室が全社的な取り組みへ展開しようとしているモーダルシフト。今後、鉄道・船舶輸送を各輸送ルートに採用し、より環境負荷の低い物流構造を構築していく予定です。

 
モーダルシフトによるCO2 削減効果とモーダルシフトの主な実施部分