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特集1 持続的成長を遂げる企業であるために
全社を包括する事業継続マネジメントシステム
(全社BCMS)の構築を目指す

演習を通じてPDCAサイクルを回しより実効性の高いBCMSに

しかし、BCMSの構築は、単に机上のルールづくりにとどまるものではありません。実際の演習をさまざまなレベルで実施し、それをフィードバックする形で、対策の実効性を検証し、高めていく必要があります。「演習には、全社的なものと拠点ごとのものと2種類があります」とCSR推進室の新井稔明(以下、新井)は言う。拠点ごとの演習では、例えば、昼間だけでなく夜にも実施することで「懐中電灯が各自に必要」ということを発見するなど、拠点から多くのことを教えてもらいながら、より実効性のあるものに変化していきました。

事業継続に関わる自然災害等の有事報告フロー

また、事業を継続するうえで基本となる「二重化」という施策についても「例えば、生産であれば具体的にどこで代替するのか、外注する場合は、その外注先で同レベルの代替品が本当につくれるのか、といったテストまで行わなければなりません」(山戸)

この中で「BCMS評議会」の設定が重要だったと山戸は語る。

「演習などを重ねていけば、当然いろいろな意見や改善案が上がってきます。それらを全社的にまとめる場として、BCMS評議会が設けられました」(山戸)

さまざまな演習や二重化の検証、組織づくりなど、国内の全従業員が一丸となって活動し、ついに全社BCMS構築は一つのゴールを迎えました。そして、2014年3月にISO22301の認証を取得。試行錯誤を繰り返して取り組んだ当社のBCMSには多くのノウハウが蓄積され、他社の参考としてセミナーの講師役を依頼されるまでになりました。しかし、活動が終わるということはありません。

「一部の人間が策定し、理解しているというだけでは本当のBCMSにはなりません。むしろこれからです」(新井)

「防災や事業継続というと、特別な事態への対応のように感じますが、ふだんから小さな異常事態は起きています。それに細かく対処できれば、大きな事象にも対応が可能になり、日常の業務改善にもつながる。BCMSというのは非常時のマニュアルづくりであると同時に、日常の業務改善にもつながるのだということを学びました」(西川)

「今回のBCMS構築で発揮したこのチームと社内の結束を、さらに全社に広げたい」と真木も振り返ります。

全社BCMSの構築を1年という期間で実現し、当初の目標を達成したリンテック。その全社BCMSを支えているのはリン テックの全従業員なのです。今後は、さらに国内外グループ会社を含めたリスクマネジメント体制の構築を目指しています。

BCMSに対する各事業部門・拠点の声

事業部門

産業工材事業部門 事業支援部 部長 三木 力雄

産業工材事業部門*
事業支援部 部長
三木 力雄

産業工材事業部門では、東日本大震災直後にBCP対策チームを立ち上げ、シナリオ型・リソース型・拡張型のBCPを準備し、同時に非常時災害対策にも着手してきました。今回の全社BCMS活動によって、事業部門・拠点別の部分最適から、組織横断的な全体最適へと大きく展開することができ、重要ポイントの情報共有とPDCAサイクルを活用した継続的活動に結びついています。

  • 2014年5月30日よりプリンテック(株) 社長に就任しました。

営業拠点

広島支店 業務課主任 野村 浩一

広島支店 業務課主任
野村 浩一

広島支店では2013年に、BCMS基礎編勉強会や災害系・事業継続系の演習を行いました。演習を通じて、災害時に当たり前の行動を取ることがとても難しいことを実感し、手順書作成時には予見できなかった行動を加えて修正しました。今後も消火訓練やAED訓練など、複数の演習を実施していく予定です。全員が与えられた役割を十分に果たし、事業継続のためにBCMS活動に取り組んでいきます。

生産拠点

熊谷工場 事務部業務課 課長代理 大島 俊和

熊谷工場
事務部業務課 課長代理
大島 俊和

BCMSの重要性について工場内で共通認識を持つことから、熊谷工場における構築と運用が始まりました。「人命最優先」「有事の事業継続」を根幹に置き、あらゆるリスクに対応する手順を繰り返し考え、実効性のある行動計画に仕上げていきました。まだ、BCMSはスタートしたばかりです。今後、計画の見直しと改善を重ね、より盤石なシステムにしていきます。