CSRレポート2016
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13 この取り組みに注目したのが、下鍋明男(以下、下鍋)が室長を務めるコスト改革推進室でした。 「コスト改革推進室では、全社的な輸送コストの削減に向け、さまざまな取り組みを実施していました。しかし、省エネルギー法や、将来的なトラックドライバーの人口減少に対応していくためには、より抜本的に物流方法を見直す必要があると考えていました。洋紙事業部門の取り組みは、まさに私たちが思い描く物流構造改革の実例だったのです」(下鍋) 2014年4月、札幌支店が先導し、龍野工場から札幌への製品出荷の一部をトラック輸送からRORO船輸送へ切り替えました。さらに並行して、全国の拠点から物流データを取り寄せ、一件一件の輸送距離やコストの調査を実施。全社的な物の流れを正確に把握した上で、モーダルシフトを行うべき輸送ルートの特定を進めていきました。 「調査結果を踏まえて検討を重ねた結果、輸送距離500km以上のルートをモーダルシフトへの切り替え候補とすることに決めました。500km以上であれば、モーダルシフトの優位性を発揮し、CO₂排出量の削減につながることが分かったのです」(下鍋) リンテックでは、トラックからRORO船輸送への転換のほか、鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトも実行しています。2015年6月、札幌支店が静岡県の外注先から製品を輸送する輸送ルートの一部を鉄道輸送に転換しました。担当したのは、コスト改革部の飛世義弘(以下、飛世)です。 「RORO船を利用するには輸送量が少なく、また、航路の関係もあり、鉄道輸送を選択しました。モーダルシフトと一口に言っても輸送方法は複数あり、輸送ルートや諸条件に応じて最適な方法を選択することが大切です」(飛世) 静岡~札幌間に続き、2016年5月には、兵庫県の龍野工場から埼玉県の東京リンテック加工(株)に輸送する製品や仕掛品の一部を鉄道輸送に転換しました。本輸送では、鉄道会社との協議を重ね、大型トラックと同等の積載容量13トン(内容積48㎥)を持つ鉄道コンテナを活用しています。 「モーダルシフトは国を挙げて推進されています。今回採用した鉄道コンテナも鉄道業界によるモーダルシフト対策の一環として開発されたもので、私たちのニーズとも合致したのです」(飛世) 環境安全部の石倉一仁(以下、石倉)は、“環境活動”としての視点から、モーダルシフトの優位性を説明します。 「環境安全部では、工場を中心に環境活動を推進していますが、生産工程でCO₂削減効果を高めるためには、設備を改善するなど、投資を要する場合がほとんどです。モーダルシフトは、CO₂と輸送コストを両方削減できる取り組みであり、企業が行う環境活動としては有効であると考えています。また、社会的に求められているサプライチェーン全体で実施するCO₂削減活動の一端を担うという意味でも、重要な取り組みです」(石倉) 洋紙事業部門がきっかけをつくり、コスト改革推進室が全社的な取り組みへ展開しようとしているモーダルシフト。今後、鉄道・船舶輸送を各輸送ルートに採用し、より環境負荷の低い物流構造を構築していく予定です。各拠点の物流データを調査し、モーダルシフトを実施すべきルートを特定輸送ルートの条件に応じて、鉄道輸送への切り替えを選択環境負荷の低い物流構造の構築に向けモーダルシフトを全社的に展開★マークについては、P01に記載。大型トラックと内容積が同等の鉄道コンテナで輸送することにより輸送効率が向上モーダルシフトによるCO₂削減効果敦賀苫小牧札幌モーダルシフトの主な実施部分岡山四国中央たつの大阪姫路千葉越谷東京リンテック加工RORO船輸送鉄道輸送トラック輸送トラック輸送時RORO船輸送 28鉄道輸送 3注)モーダルシフトを実施した部分について、  全てをトラックで輸送した場合の 算出値を100として比較したグラフです。100モーダルシフト後31★約70%削減

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