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トップメッセージ

「至誠と創造」の精神でCSR活動を推進し、社会に貢献していきます。

不透明な社会情勢の中、成長につながる成果を生む

1934年の設立以来、リンテックグループは粘着素材分野のリーディングカンパニーとして、粘着応用技術や表面改質技術などの独自技術により多彩な製品を開発し、事業領域を広げてきました。2016年度は英国のEU離脱決定や米国で新政権が誕生するなど、歴史的な転換期として記憶に残ることでしょう。2017年度も、米国での政策が世界経済にもたらす影響や、欧州主要国で行われる大統領選、日本を取り巻く地政学的リスクの増大など、不透明な先行きが懸念されています。

こうした状況下、リンテックグループは3か年にわたる中期経営計画「LIP(LINTEC INNOVATION PLAN)-2016」の最終年度を終了しました。残念ながら、売り上げと利益については、計画当初に設定した数値目標を下回る厳しい結果となりました。円高の影響に加えて、海外での売り上げを想定通りに伸ばせなかったことが、目標未達の原因だと受け止めています。

その一方で、重点テーマとして掲げた五つの項目については、それぞれが成果上げて次の中期経営計画への足掛かりを築くことができました。中でも「グローバル展開」および「戦略的M&Aの推進」において、2016年末に米国のメーカー2社と英国の販売会社を子会社化したことは、今後の成長に果たす役割が大きいと考えています。「次世代を担う革新的新製品の創出」についても、国際的な展示会に出展して8品種を発表し、既に一部の製品を市場に投入して好評を得ています。

これらの成果を土台として、2017年4月から新たな成長に向けた新中期経営計画「LIP-2019」をスタートしました。

新中期経営計画「LIP-2019」 (2017年4月~2020年3月)

基本方針

  • イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ

重点テーマ

  • 1.地域戦略の強化
  • 2.新たな価値の創造
  • 3.企業体質の強靱化
  • 4.持続可能な社会の実現に向けた取り組み

イノベーションの深化により「新たな価値」を創出していく

「LIP-2019」では基本方針として、“イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ ”を掲げました。前計画の方針を引き継ぎながら、最終年度における連結売上高2,700億円、営業利益250億円、売上高営業利益率およびROEは9%以上を数値目標として定め、新たな成長を目指します。

「LIP-2019」では「1.地域戦略の強化」、「2.新たな価値の創造」、「3.企業体質の強靭化」、「4.持続可能な社会の実現に向けた取り組み」の四つを重点テーマに置いています。それぞれのテーマにおいてイノベーションを追求するためには、グループ全体が共通認識の下、一丸となって目標達成に向けて挑戦する必要があります。経営計画の基本方針として、イノベーションを過去何年にもわたって掲げてきました。イノベーションは、ここまでやれば終わりというゴールはなく、従業員一人ひとりが、常に意識し続けなければならないことです。新製品の開発を例に挙げるなら、「お客様が考える一歩先の付加価値」を生み出すということ。そのためには、営業や生産など、組織の枠を越えて生産プロセスや販売戦略を検討し、経済性と社会性のバランスがとれた製品づくりに取り組む必要があります。成熟した製品においても、品質やコストで差別化できない場合は、サービスや機能を付加することで新たな価値を創出し、顧客満足度の向上に努めてまいります。

「至誠と創造」により推進する「守り」と「攻め」のCSR活動

新たに策定した「LIP-2019」における重点テーマとして挙げた、「持続可能な社会の実現に向けた取り組み」に直結するのがCSR活動です。その根幹にも、社是である「至誠と創造」の精神が脈々と流れています。法令遵守やガバナンス、人権の尊重といった事業活動の基本を中心とした「守り」のCSRにおいて貫かれているのは、全ての仕事に誠心誠意取り組む「至誠」の精神です。一方、環境問題の改善に貢献する新製品の開発をはじめ、事業を通じて社会的課題の解決を目指す「攻め」のCSRでは、既成概念に捕らわれず工夫と改善に挑む「創造」の精神を支柱としています。

リンテックグループは、CSR活動のさらなる推進とステークホルダーの期待に応えるべく、2014年度にマテリアリティ(重点課題)を特定し、2015年度には特定項目ごとに主要な評価指標(KPI)を設定しました。活動の達成度を共有し、一体となって取り組む体制を強化していきます。各部署で行っているCSR活動が“点”のままで終わらないように、“線”で結びつけて“面”にし、組織を全体最適化していくこともマテリアリティ特定の狙いです。

働き方改革からガバナンスまで着実に「守り」を固める

「守り」のCSR活動において、重点的に取り組んできた課題の一つが、マテリアリティでも取り上げている「労働慣行」です。中長期的な「働き方改革」を推進し、ワークライフバランスの適正化や業務効率の向上など、さまざまな成果を生み出していきます。女性や子育て世代、介護を行う社員を支援する各種制度改定や教育機会の充実、待遇の改善など、多岐にわたる施策が目指しているのは、従業員満足度の向上と安心して働ける職場環境づくりです。今後はさらに、グローバル化に対応した人事制度を導入するなど、人材の多様化を図るとともに多彩な視点と発想を組織に取り入れていきます。また、M&Aにより増えていく海外子会社を対象とした、コンプライアンスを含むグローバルガバナンスへの対応にも注力し、着実に「守り」を固めていきます。

特定したマテリアリティに沿ってPDCAを回し、計画を着実に実行していくことは、攻守を問わずCSR活動の基本です。PDCAサイクルの硬直化を防ぎ、柔軟性を保持するためにも、ダイバーシティをはじめとした社会変化への対応はますます重要な取り組みになっていくと考えています。

「攻め」を意識したCSR活動が新たなイノベーションを育む

CSR活動の成果を高めるためには、従業員一人ひとりの意識向上が欠かせません。リンテックグループでは、CSR推進室が勉強会を定期的に開催するなど、CSRへの意識向上と啓発に努めています。また、業務において「攻め」のCSR活動を実践するために若手・中堅社員を中心とした「CSRワークショップ」を2015年からスタートしました(P20-21参照)。これは、社是を支える価値観を10の心得で示した「LINTEC WAY」やSDGs*の意識定着により、社会的課題の解決につながる仕組みやビジネスモデル創出の実現を目指す勉強会です。

CSR活動は強制されるものではなく、自主的に社会的責任を果たすために行うものであり、だからこそ、イノベーションの原動力にも成り得ると考えています。このワークショップは、事業を通じたCSR活動の本質を再確認し、「攻め」のCSR活動を実践していく動機づけに大きな役割を果たしています。社会的課題の改善に貢献する革新的な製品の開発をはじめとする、新たなイノベーションの種子を育んでいきます。

  • * SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年9月に国連で採択された、17の目標と169のターゲットで構成。

誠心誠意で全力を尽くせば必ず信頼と結果につながる

「守り」と「攻め」にわたるCSR活動の両輪を支える社是の「至誠と創造」。この「至誠」は、CSR活動に限らず、全ての行動の基本であり、そこから新たな創造が生まれ、個人そしてリンテックグループの成長へとつながります。今後も「至誠と創造」を原動力として、ステークホルダーからの期待に応え、社会とともに持続的な成長を目指していきます。 本レポートは、社会の皆様そして全従業員にもリンテックグループのCSR活動をより良く理解していただくために、2016年度の成果をできるだけ分かりやすく体系的にまとめました。皆様の変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。