環境報告

気候変動の緩和と適応

事業活動を継続するうえで大きなリスクとなる気候変動などに適応するとともに機会の獲得のため、さまざまな環境活動に力を注いでいます。

製造における取り組み

省エネルギー法への対応状況

国内リンテックグループ全体のエネルギー使用量は、原油換算で年間1,500kℓ以上になります。そのため「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(略称:省エネルギー法)」に基づき、特定事業者の指定を受け、エネルギー原単位を年1%以上、電気需要平準化原単位を1%以上改善することが求められています。また、リンテックの工場の多くが原油換算1,500kℓを超える特定事業所(国内9工場)で全体の95%以上を占めています。このため各工場の取り組みが重要となり、2022年度は生産設備の効率運転、高効率ボイラーの導入、自家用太陽光発電設備の導入などの活動に取り組みました。省エネルギーが進んだことで、一部の事業所では特定事業所の指定区分変更の可能性も出てきています。

  • 国内リンテックグループ:リンテック(株)およびリンテック(株)の営業拠点、リンテックサインシステム(株)(リンテック(株)本社敷地内分)、湘南リンテック加工(株)、リンテックサービス(株)、リンテックカスタマーサービス(株)(リンテック(株)伊奈テクノロジーセンター敷地内分)、東京リンテック加工(株)

省エネルギー推進委員会

国内リンテックグループでは、省エネルギー法に対応するため、省エネルギー推進委員の管理下で各事業所のエネルギー使用データを毎月集計し、省エネルギー活動を推進しています。2022年度は、エネルギー原単位改善を目指し、全社的な省エネルギー対策を展開しました。各工場に原単位1%改善目標を達成するための施策・案を提出してもらい、進捗・実施結果をまとめています。そのほか、効果のある案件の横展開を実施しています。

  • 国内リンテックグループ:リンテック(株)およびリンテック(株)の営業拠点、リンテックサインシステム(株)(リンテック(株)本社敷地内分)、湘南リンテック加工(株)、リンテックサービス(株)、リンテックカスタマーサービス(株)(リンテック(株)伊奈テクノロジーセンター敷地内分)、東京リンテック加工(株)

エネルギー総使用量・CO2排出量

国内リンテックグループにおける2022年度のエネルギー総使用量(原油換算:省エネルギー法対象範囲)は、省エネの進行と生産量減少により前年度から12%減少しました。エネルギー原単位は2.5%増加し、0.31㎘/tになりました。また、2022年度のCO2排出量は113千t-CO2となり、2021年度の159千t-CO2よりも減少しました。2023年度は、さらなる低炭素排出の電力使用などにも取り組みます。

表は横にスライドして御覧いただけます。

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
グリーン電力購入分(GWh) 36 34 35 80
熱量換算値(千GJ) 352 335 342 778
グリーン電力により削減されたCO2(千t) 16.9 16.1 16.0 33.8
省CO2投資による削減効果(t-CO2
(2019年度からの累積値)
43 2,774 7,140 9,372
  • 省エネ法(排出事業者係数)基準で算出。
  • 省エネ法(温対法)基準で算出。

エネルギー総使用量(原油換算)

エネルギー総使用量(原油換算)
  • 燃料とは、ガソリン、軽油、灯油、A重油、LNG、LPG、都市ガスです。

CO2排出量

CO2排出量
  • ※1各年度の燃料起源のCO2排出係数は、省エネ法に定められた係数を使用しています。また、購入電力の使用に関わるCO2排出量は、当該施設に電力を供給している電力会社の調整後排出係数を使用しています。
  • ※2上記排出量は、化石エネルギー起源の燃料によるCO2排出量です。

太陽光発電

リンテックでは、従来の土居加工工場、吾妻工場に加えて伊奈テクノロジーセンター、東京リンテック加工(株)、千葉工場、熊谷工場、三島工場に相次いで自家消費太陽光発電システムを設置しました。また、土居加工工場では追加設置を行いました。
2023年1月公表の全国平均係数を使用すると1,586t-CO2相当の削減効果となります。

土居加工工場に設置した太陽光パネル
土居加工工場に設置した太陽光パネル
伊奈テクノロジーセンターに設置した太陽光パネル
伊奈テクノロジーセンターに設置した太陽光パネル

コージェネレーションシステムの導入

リンテックでは、電力と熱を同時に供給するコージェネレーションシステムを導入しています。
熊谷工場と土居加工工場には、ガスエンジンコージェネレーションシステムを導入しており、LNG(液化天然ガス)などを燃料として、各種生産設備を稼働させるための電力を発電・供給しています。発電時に発生する排熱を利用し、排熱ボイラで蒸気を生成、さらに吸収式冷凍機で冷水を発生させ利用しています。
土居加工工場では追加設置をし、2023年4月より稼働を開始しました。

フロン漏えい防止に向けた取り組み

製造現場には、パッケージエアコンやチラーなどのフロン冷媒を使用した空調機や冷凍機が設置されており、フロン排出抑制法に則った機器リストを作成し、定められた点検を実施して機器使用時のフロン漏えい防止を図っています。
また機器廃棄時には適正な業者に引き渡し、フロン冷媒が確実に回収されるようにしています。今後とも法令を遵守し、適切な使用、管理を行っていきます。

照明用電力の削減

リンテックグループは、継続して省エネルギー活動を推進しています。設備面においては計画的に照明のLED化を進め、運用面においては不要時の消灯などを実施し、電力削減に努めています。2022年度においても継続的に実施しました。

VOICE 私のネクストステージ

当社ではサステナブルへの取り組みとして「Simply Sustainable」というブランドを立ち上げました。これは単なるブランドではなく、常に環境に対する最善策を選択し行動すること、また調達・製造・研究開発・多様性と平等の権利において、さまざまなイノベーションを推進する企業文化を構築することです。
当社工場では、廃棄物とCO2排出量の削減に重点を置いています。塗工製品の廃棄物は、リサイクルまたは廃棄物発電施設に送ることで、廃棄物発生量を最小限に抑え、生産プロセスを合理化してCO2排出量削減に努めています。また、塗工設備(2022年完成)や加工設備(2023年完成予定)へのLED照明の設置などの取り組みにも多くの投資を行ってきました。これらはCO2排出量の削減だけでなく、メンテナンス時間や使用済み電球の廃棄処分が減り、従業員の作業負荷軽減につながります。

Christina Barajas
マックタック・アメリカ社
サステナビリティマネージャー
Christina Barajas
(クリスティーナ・バラハス)